STORY 物語紹介

CHARACTER 登場人物紹介

TRACKS 収録内容

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2018年12月24日 ダウンロード販売開始(1,980円)
※CD販売はいたしません。

DL達成企画



◆300ダウンロード達成で
キャストコメント公開
※公開中​

​◆500ダウンロード達成で
​SS1公開
※公開中

◆1000ダウンロード達成で
ショートドラマ1公開
(Youtube配信は2019年8月9日まで。8月10日以降はDLsiteにて追加同梱)

◆1500ダウンロード達成で
ショートドラマ2公開
(Youtube配信は2019年8月9日まで。8月10日以降はDLsiteにて追加同梱)

【2200ダウンロード記念】描きおろし絵柄壁紙配布、ミニSS掲載

2200DL記念



【PC壁紙】
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【スマホ壁紙】
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≪使用例≫

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お持ちのスマホにあわせ、ご自由にサイズ調整をお願いします。


【ミニSS】
 この床は腐食して崩れかけているんじゃないのか? もしそうなら今すぐ直してしまいたい。……そんな現実逃避をするほど、木田武は雲の上を歩くがごとく浮ついた気持ちでいた。
 斜め下を見おろせば、晴天から降り注ぐ光を受けた花嫁衣裳が光り輝いている。いや、武にとっては、その中身こそが光り輝いて見えた。

 ――某所、吉日。今日から妻となる者の手を引きながら、武はいつまで経っても覚めない夢見心地でいた。
(まさかお前と、こうして歩ける日が来るとはな)
 最初は本当に、可愛い妹のような存在としか見ていなかった。あの当時の武が今の光景を見たら、仰天どころか自分自身を殴り飛ばすだろう。「恩人の娘に何してやがる」と。
 けれど時というのは大なり小なり、どうしたって人を変えるもので……いつの間にか武の胸に芽吹いていた恋心は、彼女の成長に伴って大きくなってしまった。それこそ、彼女の捨て身の夜這いで爆発してしまったほどに。
 そんな耐え続けた末の大爆発だったから、実は未だに「全部が夢だったんじゃ」と考えることがある。こんな世界一綺麗な――と武の目には見えている――嫁の手を引いている今は、尚更だ。
 興奮と緊張で頭の中は思考停止状態に近い。だからついうっかり、呟いてしまった。
「天女と歩いてるみてぇだ」
「え?」
 彼女の不思議そうな声を耳にして、ようやく歯の浮くような台詞を言ったことに気づく。
「あっ、いや、その……」
 普段はめったに甘い愛の言葉を囁かない武だ。この無意識の一言は、自分自身の羞恥心にクリティカルヒットした。
 彼女の視線が注がれた頬が熱くなる。すぐには言葉が見つからず、ただ眉間に皺を寄せて堪えていた。
 だが持ち前の立ち直りの速さで、数秒も経つと思考を切りかえることができた。
 ――どうせここまで言ってしまったのだ。人生に一度きりの日くらい、素直な胸の内を言ってしまおう。
 そう決め、人生初のドヤ顔をきめて言い放った。
「今日のお前は、世界中の誰よりも綺麗だ。そんなお前と夫婦になれた俺は、幸せもんだよ」
 とどめに少し強めに手を握り、渾身の艶めいた声で付けたした。
「死ぬまでこの手を放さねぇから、覚悟しておけよ」
「……」
 たまに夜這いという突飛な行動はすれど、基本的に彼女は照れ屋だ。きっと今回も真っ赤になった可愛い顔を見せてくれるだろう。
 ……という予想は、彼女のニヤリとした口角に崩された。
「何言ってるの。夜這いまでして武を手に入れたのは私なんだから、死ぬまで離してもらえないのは武のほうなんだからね。あぁ、その着物でも隠しきれない逞しい体、真っすぐな心を、私がどれほどほしいと思っていたか……きっと武はわからないのよ。今わかっているのは、きっと十分の一くらいね。残りの九割は一生をかけて伝えていくから、覚悟していてね? 私の愛しい旦那さま」
 予想を越える意趣返しに、今度こそ顔に血の気が集まる。
 嬉しいやら、照れるやら、興奮するやらで、顔面がどうにかなってしまいそうだった。それで結局は、怒ったような難しい顔になってしまう。
 彼女はそんな武の硬くなった表情を愛しそうに見つめ、ころころと笑った。
「愛してる、武」
「さっき聞いた」
「武があんまり言わないから、つり合いがとれて丁度いい夫婦でしょ?」
「あんまりからかうと、今夜は容赦しねぇからな」
「ふふ、いいよ。私だって容赦なく応えちゃう」
「はぁ、まったくお前は……」
 小悪魔かと思うほどたまに大胆で、でも純粋で、可愛くて、……愛おしくてたまらない存在。
 来世というものがあるなら、そこでも一緒になりたい。
 夜這いなんてかけられなくても、いずれは陥落していたのではないかと思う。
「ね、今日くらいは武も言って?」
 上目遣いの嫁に今日もまた胸を射抜かれる。色んな意味で呻き、がしがしと頭をかいた。
「っ、たく」
 結局出会ってから今まで、勝てたことなど一度もないのだ。
 観念した武は、ついには耳まで赤くなっていることを自覚しながらボソリと言った。
「俺だって愛してる。……って、今言わせんじゃねぇよ。親方に『もう酒飲んだのか』ってからかわれるだろうが」
 扉が開かれ、武たちを祝福する面々が視界いっぱいに広がる。

 案の定というべきか、親方は“そのままの台詞”を口にした。


<了>


300DL達成記念



【キャストコメント/木田武CV虎沢猫助】

【Q1】武を演じる上で印象深かったところ、気をつけたところがあればお教えください
大人の男の包容力や力強さが出るよう、意識して演じました。
また、特にトラック1でのヒロインへの不器用な愛情が印象的でしたので、
その部分が表現出来ていれば幸いです。

【Q2】武というキャラをどう思われますか?
武は不器用な所もありますが、包容力があって、
そのいい兄貴感が、男から見ても魅力的に映るキャラクターだと思いました。
また、ヒロインへの愛情が溢れて、いや、溢れまくっている所も可愛らしくもあり魅力的ですね。
是非、その魅力も味わって頂けましたら嬉しいです。

【Q3】武に共感をおぼえた部分はありますか?
ヒロインへの一途なところにとても共感しました。
後は、自分の性欲に素直なところも(笑)
体格も良く、真っ直ぐな男らしいヤツですが、褒められ弱く照れてしまったりするようなカワイイところも、武らしくて好きですね。

【Q4】これから二人はどうなっていくと思いますか?
毎晩ラブラブな日々を送っていくんだと思います(笑)
子沢山な幸せな家庭を築いて、子煩悩な武の姿が目に浮かびます。
この二人ならお爺ちゃんお婆ちゃんになっても、
手を繋いで散歩をしてるようなラブラブな老夫婦になってそうな気がします。

【Q5】リスナーの皆様にメッセージをお願いいたします
日常があり、濃厚なエッチもあり、一大イベントもあり……
盛りだくさんな内容になっていると思います。
そんな盛りだくさんな作品が、魅力的なものになるよう精一杯演じさせて頂きました。
武を、『あなたの大工さん』として愛でて頂ければ幸いです。
よろしくお願いします!

500DL達成記念SS



「趣のあるアパートの一室で」作・雪華

 女というものは体重を気にしすぎる、と木田武は思う。
 全員が全員そうではないだろうが、歴代の軽く付きあってきた女たちは、みんな大なり小なり体型で悩んでいた。
 それを表立って批難するつもりはない。何にこだわるのかは、個人の自由だ。けれど武の愛しい妻のこととなると、話は別だ。
 軽い溜息をつくと、煮立った鍋から立ちのぼる湯気が揺れる。武の手料理からは、微妙に怪しげな臭いがした。
 試食する前から結果が見えているようで、もっとテンションが下がる。愛妻の手を借りられる状況であれば、今すぐにでも声をかけたい気分だった。
「俺としては、ふにふにしてたほうが抱き心地がよくていいんだがな……」
 おたまをくるくると回していると、開けた小窓の隙間から、お隣さんの夕食の匂いが漂ってきた。武の料理とは違い、食欲をそそる良い匂いだ。
 今までは何とも思わなかったそれが、少し羨ましい。容易に匂いが漏れるアパートに勝手な苛立ちもおぼえた。
(いい加減、引っ越さねぇとな)
 親方の紹介で十六で入居してから、ずっと住んでいるアパートだ。愛着は他のどの住人よりもある。それでも隣家からの匂いの件や、壁の薄さを考えると「近い内に……」と考えざるをえない。
 なにしろ武の妻のセックス中の声は、世界で一番、可愛いのだ。しかも腰にくる。彼女の嬌声を聞けば、どんな男でも瞬時に股間をおさえるだろう。――そう同僚の前で溜息混じりに言ったら、なぜかひとしきり笑われた上に、殴られた。武にとっては理不尽な話である。
「はぁ」
 思い出してまた溜息をつく。すると背後から、おずおずとした足音が聞こえてきた。
「大丈夫? やっぱり私がやろうか?」
 狭いキッチンに二人で並んで立つと、愛妻の柔らかな腕とくっつく。最近では素肌が触れただけで催すから困ったものだ。
 今日もまたムラッとした武だったが、包帯を巻かれた彼女の痛々しい右手を見て、欲望を飲みくだす。
「いいって。もう出来たし」
「本当? じゃあ、味見したいな」
「ワクワクしてるとこ悪いんだけどよ、これ、絶対失敗してるぜ」
「はは、大丈夫だよ。武が作ってくれたものなら、なんでも美味しく食べられる自信がある」
「それは今まで、俺が簡単なもんしか作らなかったからだろ。はぁ……野菜炒めとかの簡単にできるやつは得意なんだがな。こういう手のこんだもんは、向いてなかったみたいだわ」
「それでも、武が私のこと考えて作ってくれたんだもん。美味しいに決まってる」
「まあ考えたっちゃあ、考えたが……」
 彼女の痛々しい手を見おろし、そもそもの原因に思いを馳せる。
 最近の彼女は、以前にも増して、武のために美味しい料理をたくさん作った。そしてその度に味見をした。……結果、太った。
(たしかに前よりかは輪郭が丸いけど……、そんなに気にすることか?)
 武は心から気にしていなかったが、彼女にとっては涙ぐむほどの一大事だったようで、セックス中に何度ストップがかかったことか……。「待って、お腹が見える」だの「太腿は持たないで」だの、とにかく贅肉を気にしていた。そうして悩んだ末に、古いエクササイズのDVDを引っ張りだしてきたかと思ったら、頑張りすぎて怪我をした……というわけだ。しかも効き手だったものだから、生活し難そうで、可哀想になる。
 というわけで、武なりに気を遣い、今夜は武が料理をすることになった。メニューはダイエットにもいいとされる、テレビで紹介されていた料理だ。もっとも、現時点で失敗していることは確定なので、紹介されていた料理にはなっていない。匂いもだが、見た目も……なんだかドロドロしていてグロテスクだ。
 衝動的に捨てたくなった武だったが、彼女が左手でスプーンを持つのが見えて、なんとか思いとどまった。
「おい、無理すんな。それだと、こぼすだろ」
「でも、今味見しないと、武が捨てちゃいそうだから……」
 ぎくりとする。さすが十年以上、両片想いをしていただけあって、互いの胸の内は知りつくしている。
「あー、わかったわかった」
 武は諦めの溜息をつき、無骨な指先でスプーンを奪いとると、魔女の鍋と化しているところからスープをすくった。
「ほら、口開けろ」
「え。これって……アーンってやつだ!」
「んなことで、いちいち感動すんなよ」
「片想い期間が長かった身としては感動するんですー」
「俺だって、ずっと片想いしてたっつーの」
「でも私のほうが大好きだったよ」
「いーや、俺のほうが上だね。お前で何回抜いたと思ってんだ」
「そ、そういう問題!?」
「あ、そういやお前、俺のこと考えながらオナニーしたことあるか?」
「な、なんで今聞くの!?」
「いや、純粋に疑問で。夜這いするくらいだから、そういう知識はあったんだろ?」
「そ、そそそんなことどうでもいいじゃん! 早く食べさせてよ!」
「へいへい」
(誤魔化すってことは、オナニーしてたのか。俺で)
 胸中では悶々としつつ、スプーンですくったスープに息を吹きかける。適度に冷ましてから、彼女の口元に持っていった。
 彼女の顔が期待でキラキラと輝く。
 それに気おくれしながら、彼女が口をつけるのを待った。
 こくりと飲みこむ音がして、武は落ちつかない気分で問いかける。
「不味いだろ?」
「ううん! 美味しい! 武の味がする!」
「マジかよ。ザーメンの味がすんのか。すげぇ不味そうだな」
「ちっ、違う! そうじゃない! 武の気持ちがこもった味がするって意味! ……もう。最近の武は、なんでもエッチな方向に持っていきすぎ」
「仕方ねぇだろ。ずーっと我慢し続けて、ようやく結婚できたんだ。声を聞けば嬉しくなるし、触れれば抱きたくなる」
「そ、そういうの、さらっと言うの……ずるい」
 モジモジとする彼女を横目で見つつ、武も味見をする。彼女が美味しいと言ったから若干安心していたのだが……、
「なんだよ、やっぱり不味いじゃねぇか」
 武の予想通りのまずさに、思いきり顔をしかめる。
 彼女はキョトンとした表情で首をひねった。
「そんなことないよ?」
「お前、ダイエットのしすぎで舌が馬鹿になったんじゃ……」
「違うって。本当に美味しかったの」
「好みの違いか?」
 武も首をひねり、もう一度味見をしてみる。
 ……やっぱり不味い。酸っぱいのと、謎の甘さが絶妙に絡みあっていて、大量に口に含むと「う」という呻き声があがった。
「お前、怪我のせいで熱があるんだろ。そうじゃなきゃ、納得いかな……、うーん」
 言いかけた武は、途中で自身の顎をさする。
 彼女は武のものならば、精子ですら美味しいと言って飲む人間だ。武が絡むことでは、申し訳ないがあてにならない。
 がっくりとうなだれてキッチンに手をついた武の横で、彼女は心底不思議そうな顔をしていた。
「……ほんとお前、俺のこと好きだな。俺はもっと好きだけど」
「そんなに信じられない?」
「だって不味いからな。お前の味覚は、今限定でイカレてる」
「うーん……完全には否定できないかも。だって私は武が作ってくれたっていうだけで、食べる前から、こう……つばがじわーっと出てくるから」
 ほわっとした笑顔でいわれ、武の胸に矢が刺さる。触れあっている腕の部分が特に熱く感じられ、ごくりと唾を飲んだ。
「俺も、じわって唾が出る」
「私の料理で?」
「ああ、お前を料理することを考えると」
「え、それ、意味違わな――、あっ!」
 囁きつつ、彼女の耳を甘噛みする。びくりと跳ねた肩を抱き、素早く体の位置を入れかえた。
 シンクと逞しい体の間に挟まれた彼女が、突然の発情に少し動揺した声を出す。
「ど、どうしたの?」
「勃った」
 硬くなったものを、彼女の臀部に押しつける。
 彼女のうなじが赤く染まり、僅かに汗ばんだ。
「っ」
 興奮の唸り声をあげながら、そこを軽く噛む。ほのかな塩味が舌の上に広がり、武の口角があがる。
「やっぱ、こっちのほうが、百万倍うまい」
「く、比べるものじゃないよ。それに火……」
「はい、消した。他に、新婚の夫が、妻を抱いちゃいけない理由はあるか?」
「……まだお風呂入ってない」
「往生際が悪いな。俺がそういうの気にしないって知ってんだろ」
 平らにした舌で、べろりと首筋を舐める。
「ひゃん!」
「なあ、俺が帰ってくるまでの間も、オナニーしてたのか?」
「っ、してない」
「でも思いだすと、疼く時もあるだろ?」
「そんな、私は……」
「なんだ残念だな。俺はお前のこと考えると、昼間でも興奮すんのに。やっぱ愛の重さの違いか……」
「う、疼くよ! 私のほうが愛が重いんだから!」
「へぇ、疼くんだぁ……?」
 ニヤリと笑い、耳元で声を響かせる。
 彼女は耳まで真っ赤になって、ぷるぷると震えた。
「意地悪」
「いや、俺はいつだってお前に優しくしたいんだ。だから怪我してるお前の代わりに……こっちも『美味く』してやるよ」
 Tシャツの裾から手を差し入れ、片手で柔らかな膨らみを揉みあげる。そしてもう一方の手でスカートを捲しあげ、下着の隙間から指を忍ばせた。
「ダメだよ武、こんなところじゃ……!」
「なんでダメなんだ?」
「ここじゃ、廊下に声が漏れちゃう……」
「んー、それは悩みどころだな。お前の可愛い声を他の野郎に聞かせるのは、腹が立つ」
「じゃあベッドで――」
「というわけで、少しだけ声、我慢しててくれよ」
「えっ! そんなの無――、んんっ」
 きゅ、と乳首をつまむのと同時に、クリトリスを優しくこする。
 彼女は自分の口を押さえながら、ビクリと全身を震わせた。
 敏感な反応が嬉しくなり、武はますます興奮する。かぷかぷと彼女の首を噛みながら、指の腹で敏感なところを擦り続けた。
「んっ、ふ……、ん、んっ」
「なんか、声我慢してるお前を見てると、無理やりしてるみたいで……ちょっと興奮するな」
「ん、そういう願望があったの?」
「一番はもちろん、イチャイチャしながらガンガン奥を突きあげることだけどよ。我慢してた時期があるから……こういうお前を見てると、なんだろうな、イジメたくなるっつーか……」
 やがて溢れてきた愛液をすくい、ぬるぬるになった指先で強めにクリトリスを圧迫する。
 そこはもう限界まで膨れあがり、少しの刺激で大きな快感を得ているようだった。
 彼女が声を抑えているから、ぐちゅぐちゅという卑猥な水音が、いつもより大きく聞こえる。
 武の指は、もう彼女の愛液と熱で、ふやけたようになっていた。
「エロい」
「誰のせ……、んっ」
 欲情を煽る匂いにも、頭がくらりとする。もうたまらなくなって、武は自身のズボンをボクサーパンツごとずり下げた。
 彼女が目を瞠るほど大きくなったものが、ぶるんと揺れて柔い尻を叩く。
「なあ、ダメか? もう待ってらんねぇよ」
「やっぱり、ずるい。私がダメって言わないの知ってるくせに」
「本当に嫌だったら入れない」
「もう……」
 彼女が赤く染まった頬を膨らませながら、怪我をしていないほうの手で臀部を掴む。それから、むっちりとした尻を広げてみせた。
「……武がイジメるから、こんなになっちゃったんだよ。早く責任とって」
 羞恥心を堪えながらの可愛い仕草と、予想外のおねだりに、武が唸り声をあげる。可愛すぎた。
「お前……っ! っ、ああ、もう、やばい! 言われなくても責任とりまくってやる、よっ!」
「あっ! んんーーーっ!」
 片手で彼女の腰を掴み、ずんっと奥まで突き入れる。ぐちゅぐちゅになった隘路に絡みつかれ、とろけるような快感が腰から広がる。気持よすぎて我を忘れそうだった。危うく彼女の怪我のことを失念しそうになって、寸でのところで、もう片方の手で彼女の手を守る。
「っ、あー、とろっとろだな。やっぱ俺が帰ってくるまでの間に、オナニーしてたんじゃねぇのか?」
「し、してないっ」
「ふーん。それじゃあ我慢させてた分、たくさんこすってやらねぇとな」
 ずるりと限界まで抜き、勢いをつけてまた押しこむ。
 たぷんたぷんと尻肉が波打ち、それもまた武を興奮させた。
「んっ! ふっ、ああっ! だめ、だめっ、だけ、し! 声、がまん、できな……いっ!」
「わかった、じゃあ顔だけ、こっち向け」
「え、……んん!」
 首をひねった彼女の顎を後ろからすくい、男らしい唇で蓋をする。舌をねじこみ、ぐちゅくちゅと音が鳴るほど激しく彼女の口内を舐った。
「んぅっ! んっ、んんっ! ふっ、はぁ……んっ!」
 硬い先端で、彼女の子宮口を抉るように突きあげる。彼女の腰がビクッとする度に中が絞る動きをするから、どんどん腰の動きが早くなってしまう。
 愛情も欲望も溢れて、武の口をついて出た。
「愛してる! はっ、はあ、はあ! お前を、愛してる!」
「んっ、わたし、も……っ!」
 触れている肌がしっとりと汗ばみ、入り口がカリに引っかかるほど狭くなる。
 彼女がイキそうなのをペニスで感じ、武の興奮も限界に達した。
「っ、はぁ、はぁ、はー……イクぞ! ほら、子宮口ぐりぐりしてやるから、お前もイッちまえよ!」
「んっ! んぁっ! あっ! だめっ、だめぇ! そこ、あぁ! 気持ちよすぎてぇ……っ! なんか出ちゃう、からぁっ!」
「はは、いいぞ、出しちまえよ! 今日も潮ふきながら、盛大に、イッちまえ!」
 ぱん、と腰を叩きつけると同時に、彼女が大きな嬌声をあげて背を反らす。
 吹きだしたものが床を濡らし、淫靡な匂いが武の理性を溶かした。
「あっ、あぁ……たけ、にぃ。ごめ……なさ……、あっ、あー……」
 イッている最中の彼女を抱きしめ、ぎゅうぎゅうと絞りあげてくる隘路を激しくこする。
 よだれが出そうなほどの快感だった。
 すぐに武も我慢できなくなり、先端をポルチオに押しつけた状態で動きを止めた。
「ぅっ、ぐ……!」
 大量の精子がほとばしり、彼女がそれを喜ぶように体を震わせる。
 射精しながら、ねっとりとしたキスを繰り返した。

「はあ、はあ、……こりゃ、今日こそ孕むな」
「もう……、恥ずかしくて、明日から他の住人に会えないじゃん」
「じきに引っ越すんだから、いいだろ。次は防音がしっかりしたマンションにしような」
「そんな高いところに引っ越して、大丈夫なの?」
「ん? お前、知らなかったのか。俺、月に四十は貰ってるぞ」
「そうなの!? こんなボロ……あ、趣のあるところに住んでるから、もっと貰ってないのかと……」
「ちなみに貯金は二千万くらいある。ボーナスも使ってなかったからな」
「タケにぃって、貯金が好きだったの……?」
 あまりに驚いているためか、呼び方が昔に戻っている。
 それも可愛くて、武は彼女をぎゅうぎゅうと抱きしめた。
「いや、貯金が好きなんじゃなくて、貯めた金でお前を養う妄想をしてた」
「! そ、それは……すごい妄想だね」
「気持ち悪いか?」
「気持ち悪かったら……こんな反応しない」
 また赤くなった彼女の中が、きゅっと締まる。
 うねる膣壁は「もっとくれ」とねだっているようだった。
「……私、こんなに欲ばりだから、太っちゃうんだよね」
「全然足んねぇよ。もっと欲ばりになれ。俺くらいにな」
「武が甘やかすから、また重くなっちゃいそう」
「どうせガキができたら重くなるんだから、もう気にすんなよ。だから……」
 しっとりとした下腹部に手をあて、外側から長大なペニスをなぞるように指を動かす。
 彼女が、ほぅと色っぽい溜息をつくのが聞こえた。
「今夜も、ここがザーメンでいっぱいになるまで、注いでやるよ」

 その夜、数回目の絶頂で気を失うように眠った彼女に黙って、武はこっそりと魔女の鍋を捨てたのだった。

​<了>