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※「征徒会~誘惑の日々~」より数年後の、凍時のヒロイン目線のお話です。ヒロイン目線が苦手な方はご注意ください。
『妻たちの溜息』 作・雪華
「美しく優しいだけじゃなくて経営までできるなんて、君はまさしく女神のようだね。いや……女神そのものだよ」
耳元で響く賛美の声を、西条凍時の妻は笑顔――しかし心は全く伴っていない――で聞き流す。ジムを経営する西条夫人には休日といえどやるべきことが多く、邪魔な夫に構っている暇などなかったのだ。
聞いているふりをしつつ顔をあげると、それぞれの場所でトレーニングに励んでいる若者たちがいた。
その様子を注意深く観察しながら、夫人は凍時に微笑みかける。
「あなた。やはり先日ご相談した器具が必要みたいなのだけれど、買っても良いかしら」
「いいよいいよ。いくらでも買ってあげよう。なんならもう一つビルを買っても――」
「ありがとう。では後ほど必要書類を持ってくるわ」
夫の言葉を容赦なく切り捨て、手元の書類をパラパラとめくる。その姿は、もはや立派な経営者だった。
「それにしても、君がこんなに熱心になるなんて想像していなかったよ」
背後霊のごとくくっついていた凍時が、どこか誇らしげに笑う。
夫人は口元だけで笑い返し、目には殺意をこめて凍時を見つめた。「元凶が何を言う」と心中で呪う。
そもそも、ことの発端は凍時の激しすぎるセックスだった。あれについていけなくて、やけくそのようにトレーニングを始めたらはまってしまい、ついには自分でジムを経営するまでに至った。――夫人は、なにごとも突き詰める性格なのだ。
そのかいあって、今では高額な会員制にも関わらず、売上はうなぎのぼりにあがっている。
それでも油断は禁物だ、と夫人は口元を引き締めた。
「ねえ、あなた。お忙しいでしょうから、先にお帰りになって?」
考え事をするのに、賛辞しか述べない凍時は邪魔だ。今日は義理の娘や、その友達を招いての交流会もかねているから、苛々の原因を側に置いておくのも嫌だった。
しかし、
「あぁ、気遣ってもらえて嬉しいよ! でも大丈夫。君と一緒にいるために、昨日は寝ずに仕事を終わらせたからね!」
無駄な気合いを発揮した夫は、目をきらきらさせながら言った。
「あら、そうなの……」
この濡れ落葉が、と胸の内で呟いた夫人は、視線を前に戻して嘆息した。
落葉は、夫人の隣だけではなかったのだ。
「光さん、大丈夫? 無理しないで」
「君は心配しすぎなんだ。これくらい……っ、俺にだってできる!」
窓際では、愛しい息子が顔を真っ赤にしてトレーニングに励んでいる。その横につきそっているのは、本来招いたはずの義理の娘。
最初は目的通り義理の娘がトレーニングをしていたのだが、光がある者に対抗しだしてからは、娘のほうが応援する側になってしまった。
心臓が弱い息子を応援してくれる、義理の娘の気遣いには涙がこみあげる。仲睦まじい様子を見ていると、息子の将来は安泰だと感動した。
しかし正直、今は何故息子がついてきてしまったのかと溜息が漏れる。
まったく揃いも揃って……と首を振れば、少し離れたところで談笑する夫婦が見えた。
「あはは、もっと負荷を増やそうか?」
「もう、一真ったら……意地悪」
実に楽しそうに励んでいるのは、愛息子の親友の久世一真と、その妻だ。
こちらも妻だけ誘ったら、夫もついてきてしまったパターン。
そして光が無駄に頑張っているのは、一真のすさまじい運動能力を目にしたためでもある。昔のことがあるからか、己の妻には「一真よりもすごい」と思っていてほしいようだった。
もっとも当の久世一真は、光の嫉妬心にはまったく気づいていないのだが……。
「っ、はあ、はあ、はあ、はあ!」
笑い声の合間に、はあはあふうふうと頑張っているらしき息遣いが聞こえてくる。
反対側を流し見ると、豊満な胸を揺らしながらランニングマシーンで走る、山那誠の妻がいた。
こちらは一人でトレーニングしているようだったが、目を凝らすと、離れたところの椅子には嫉妬深い夫が腰かけていた。
一緒にトレーニングすればいいのに、なぜか彼女を後ろから凝視している。何が気にくわないのか、眉間には皺が寄っているように見えた。
夫人はしばらく待ってから、頃合いを見計らって優雅に手を叩く。
「皆さん、そろそろ休憩にしましょう」
ぞろぞろと集まってきたメンバーに、凍時の秘書が順々にスポーツドリンクを手渡す。
その間、凍時は何をしていたかというと……
「はぁ、はぁ、きびきびと指示を出す君も素敵だよぉ。見つめていたら、たまらなくなってきちゃった……」
カウンターの内側にいる夫人の後ろに立ち、勃起したものを押しつけていた。実に役に立たない夫である。
夫人は重なってきた手を、笑顔のままぎゅっと抓った。
「今日は疲れているので嫌です」
「そんなつれないこと言わないで。ひざまずいて『入れさせてください』って言えばいいかな?」
「どうぞ、ご勝手に」
ひそひそとした会話は、他の者には聞こえない。
それでも危機感をおぼえて周囲を見ると、みんなそれぞれの夫と仲睦まじくしていた。
「光さん、胸は痛くない? もう少しゆっくりトレーニングしたほうがいいんじゃないかしら」
光の妻は、まだそわそわとした様子だった。大丈夫だと言われても、光の脈を計ったり、汗を拭いたりと忙しない。
「ああ、もう、心配ないと言っているだろう。そんなに言うなら――」
光がぐいっと妻を引き寄せ、その耳元で囁く。
「シャワー室でも、見張っているといい。まあ、観察している余裕があるかは……保証しないがな」
「こ、こんなところで何を言っているの!?」
「はは、誰も聞いていないさ」
残念ながら聞こえているのだが、水をさすのも悪いので、夫人は反対側を見る。
「やっぱり一真はすごいね。私じゃ敵わないなぁ」
「そうかな。ここの数値は、君のほうが上だ」
互いの数値を見ながら健闘を称えあう二人は、実に健康的な雰囲気だった。
だがしばらく観察する内、ふいに一真の瞳の奥が剣呑な光を帯びる。笑顔のままなのに、眼差しが鋭い。
「そういえば君、山那先生がダンベルを持った時、腕を見てたよね? 僕が同じものを持った時とは違う反応だった」
「え、そうだった?」
「うん。まあ、山那先生の体はカッコイイからね。あーあ、なんだか嫉妬しちゃうなー」
茶化したふうに言っているが、目がかなり本気だ。
夫人が「これはこれで面倒そうだ」と思っていると、一真がこそりと言った。
「落ちつけないから……今夜は僕のものだって印、たくさんつけさせて」
「! ……久世くんの馬鹿」
「こーら、呼び方、戻ってるよ」
「あ、ごめんなさい」
「お仕置きはベッドの中でね」
だいぶ離れているからか、息子夫婦も、久世夫婦も油断しきっている。
しかし申し訳ないことに、夫人は長年凍時の声と足音を警戒し続けたせいで、耳がよくなってしまっているのだ。つまり全部聞こえている。
苦笑しながら通路のほうを見ると、外の空気を吸いに行くと言っていた山那誠の妻が、扉の前で突然消えた。
まさか転んだのかと目を瞠る。しばらくすると、扉の内側からひそひそとした声が聞こえた。
「せ、先生、こんなところで何考えてるんですか!?」
「はは、慌てると先生って言うクセ、抜けないよな。可愛い……」
よくよく目を凝らせば、閉まりきっていない扉の隙間から、二人の体が重なっているのが見えた。
誠の妻はショートパンツを下ろされ、下半身を露わにしている。閉じようとする脚の間には太い指が滑りこみ、いやらしく出入りしていた。
「このエロい尻と胸を汗まみれにして、プルプル揺らしやがって……。俺に食われたいとしか思えねぇ。はぁ、もう我慢すんの無理。ちょっとでいいから突っ込ませてくれ」
遠目にもぎょっとするほど長大なものがボロリと飛び出る。
「だ、だめです! そんなこと言って、誠さんはちょっとで済んだことないじゃないですか!」
「ほんとに今日はちょっとだって。お前の中気持ちいいから、三分で中出しできる」
「それはちょっととは言わな――あぁっ」
丁度いいタイミングで、中途半端だった扉が風で閉まる。
その音を聞きながら、夫人は心の中で合掌した。
どの夫も相手をするのが大変そうだ、と夫人は思う。……背後にいる夫の荒い息遣いを感じながら、しみじみと。
その夜、食事と入浴を済ませて寝室に入った夫人は、閉じたばかりの扉へと回れ右をしたくなった。いっそ倒れたいと思いながら、気あいで視線を下げる。
キングサイズのベッドの前には、下着一枚で、目をらんらんと輝かせた凍時がいた。忠犬よろしく正座をしているが、はぁはぁと息を荒げる様は犬というより腹の空いた狼だ。涎を垂らしそうでゾッとする。
普通の娘ならば「変態」と言って逃げだしそうなものだが、夫人は溜息一つで諦めの境地に入った。ニコリともせず凍時の前に立つと、無言で片足を前に出す。
すかさずしゃぶりついた凍時は、妻の脚を唾液まみれにしながら言った。
「はぁ、はぁ、湯上りの君の足は、なんて美味しいんだ。どんなお菓子よりも甘く感じるよ」
「では、もう満足ですね?」
淡々と確認する夫人の声は冷たい。
対する凍時はますます吐息を熱くさせ、床に額を擦りつけた。
「あぁ、そんな意地悪を言わないで。い、入れさせて! 入れさせてください!」
必死ともいえる形相で縋りついてくる凍時を、夫人は無感動な目で見下ろす。ここで泣いて嫌だと言っても無駄だと、知っているからだ。
愛妻家と名高い凍時を、世間は「尻に敷かれている」とまで言うが、とんでもない。どんなに従順に見えても、凍時は手に負えない獣なのだ。抗えば、その倍の力をもってねじ伏せられ、嫌だという気力すら奪われる。
幾度となく骨の髄までしゃぶられてきた夫人は、それを十分すぎるほどに理解していた。
「いいと言ってくれ」
「ええ。いいわよ、あなた」
暗く淀んだ目を笑みの形にする。絡まってくる腕から脚を抜き、ゆらりとベッドに腰を下ろした。
室内が静かなせいで、凍時がごくりと唾を飲む音が耳につく。
粘ついた視線を感じながら脚を開いた。
「あ、あぁ……ああぁ……」
言葉にならない獣じみた感嘆の声をもらし、凍時が夫人の陰部にむしゃぶりつく。
乾ききっていた陰唇はあっという間に唾液にまみれ、てらてらと濡れ光る。その光景にまた興奮し、凍時の呼吸は異常なほど乱れた。
強めにクリトリスを吸われ、夫人の内腿が意思とは裏腹に痙攣する。
「んっ、はぁ……」
「ふふ、可愛い。ちょっと吸っただけで……ここ、もう膨れてきちゃったよ」
嬉しそうに言われ、夫人は辟易する。言われるまでもなく、己の体が敏感になっているのはわかっていた。
凍時は嫌になるほど、夫人の弱い場所を狙ってくる。どこをどう舐めれば妻が一番気持ちよくなるのか、調べ尽くしているのだ。
夫人はすっかり蹂躙されて素直になった体を、ベッドの上に投げ出す。
凍時は、それを受け入れられていると勝手に解釈して喜ぶ。
――決まりきった流れは、毎夜繰り広げられる滑稽な舞台のようだ。
虚ろな目で天蓋の裏側を見ていると、夫人の中にそっと指が入ってくる。僅かに曲げられた指は迷うことなく弱い場所を探りあて、内側から押しあげた。
「あっ、あぁ……ん」
空虚な心に反して、漏れ出る声だけは甘い。それもまた忌々しいが、抵抗する気力は、もう無かった。
長い指がゆるゆると出入りを繰り返し、強弱をつけて感じる場所を刺激する。同時に熱い舌が、充血したクリトリスに絡みついた。
「はっ、ふ……あぁ、そこ……。もっと、そこを……」
「ここを、どうされたい?」
諦めてしまえば、揶揄する声に苛立ちを感じることもない。夫人は快感に抗わず、びくつく脚を大きく開いた。
夫人の招く仕草に、凍時は興奮した獣のような息を吐く。何かに取りつかれたふうに陰唇をすいあげ、巧みな指使いで夫人を絶頂へと押しあげる。
夫人の爪先がシーツに細かな皺を作り、背が弓なりに反った。
「んっ、ああぁっ!」
中の指をぎゅうっと締めつけながら果てる。
凍時は夫人の中からそっと指を引き抜くと、荒々しい仕草で自身の下着を脱ぎ捨てた。言葉すら発せないほど夫人の媚態に興奮しきっているらしく、薄く開いた唇からは、ふーふーという息だけが漏れている。
やがて、誠ほどではないが平均よりもだいぶ大きなものが露わになる。中年にも関わらず、その先端は凍時の下腹部を叩いていた。
「待っててね、今コンドームをつけるから……!」
竿の部分に浮きでた細かな血管を見て、ぞわりと嫌悪感がこみあげる。それなのに快感に慣らされた膣は、快感を期待して蠕動した。腹の奥が切なくなる。
「あぁ、まずい、まずいよ、もう出そうだよ」
ゴムをつけている間も、凍時は熱に浮かされた調子で呟く。
夫人はそのまま達してくれればいいのにと願ったが、残念ながら凍時は耐えてしまったようだった。
すぐに薄いゴムに覆われたペニスが膣口に宛がわれる。腰を掴まれ、一気に押しこまれた。
「あぐっ! はぁ、ぅっ……!」
内臓ごと押しあげるような圧迫感に、呻き声に似た嬌声が漏れた。
硬い先端が隘路を押し開き、子宮口に密着する。
そのままグリッと抉るように腰を動かされると、びりびりとした快感が全身を駆け巡った。あまりの気持ちよさに、夫人は失神しそうになりながら白い喉を反らせる。
「っ、あっ、あぁ……今日も君の中はぁ……はぁ、はぁ、最高に、きもちいい……」
そんなふうに快感に溺れきっている声音で言うくせに、凍時はちゃんと夫人を気持ちよくさせることも忘れていない。夫人が達しやすい角度と強さで、ひたすらに弱い部分を攻める。
「ひっ、あっ、あっ! ああ、んっ! あぁ……っ!」
「はぁ、はー……こんなに溢れさせるほど、俺のを待ち望んでいたんだね!」
大量の愛液が溢れると、凍時は狂喜して腰を叩きつけた。
「ははっ! はぁ、はぁ、今夜もすごいよっ。ねえ? 聞こえるかな? 君の中が、俺のを喜んで飲みこんでる音!」
ぱちゅん、ぶちゅんと鳴り響く派手な音。
先走りと混ざりあった愛液の匂い。
悲しみも怒りも、流れていく。
夫人は遠くなっていく意識の中でその音を聞きながら、びくびくと全身を痙攣させた。そのタイミングを待っていたようにボルチオを押し潰される。
「ひぅっ! ああぁ……っ!」
うねる膣に引き絞られたペニスが、限界を迎えて小刻みに跳ねる。
「くっ、ぅ! ごめん、もう……、いく! 二回目はもっと長くするから、いっても、いい? ああ、だめだ、いくよ!」
凍時が聞いておきながら答えを待たないのは、よくあることだ。
絶頂のただなかにありながらも、夫人はおかしくなって口端をあげた。
瞬間、奥にうずめられた亀頭がより硬くなり、びくりと跳ねる。
ずいぶんと長く射精が続いているのか、凍時は幾度も腰を震わせた。
「っ、はぁ……、愛してるよ……」
キスの合間に凍時が囁くと、夫人は途端に冷や水を被った気分になった。快感の余韻を残す体が忌々しくなってくる。
いくら飲みこんでも消えない暗い感情が、汚泥のように口から溢れた。
「そう。私は愛していないけれど」
幾度も繰り返されているやりとりなのに、凍時はその度に傷ついた顔をする。そして出てもいない涙の跡をなぞるように、夫人の頬に口づけるのだ。
「……愛してると言ってくれ」
「今日はもう無理」
「なぜ?」
「喘ぎすぎて息が苦しいのよ。私も、もっと体力をつけないとダメね」
少しも掠れていない麗しい声が、静かな室内に響く。
泣きそうな顔をした凍時を放っておくと、本当に涙が降ってきて、夫人は深く溜息をついた。
……泣きたいのは、いつも夫人のほうだった。
翌日、ジムのサロンは妻たちの嘆きに満ちていた。
光の妻は「昨日の今日であんなに頑張って大丈夫なのかしら」と心配そう。……何を頑張ったのか気になるところだ。
一真の妻は、なぜかハイネックを脱ごうとしない。「暑い暑い」と手で顔を仰ぎながら、困ったふうに溜息をつく。しかしその顔は幸せそうでもある。
誠の妻は、運動後で汗をかいているからか、ふうと息を吐く様がやけに艶めかしい。日毎に艶を増していくように見えるのは、きっと誠がそれだけ彼女を愛でている証だろう。
「……まったく殿方たちには、困ったものだわ」
夫人の言葉に、妻たちは示しあわせたようなタイミングで苦笑する。
それに優雅な微笑みを返し、ティーカップを置いてから“鬨の声”をあげた。
「さて皆さん、今宵も頑張りましょうか」
妻たちの受難は、まだまだ続く。
<了>
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