スペシャルコンテンツ
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【PV】
作曲/シロ 作詞/雪華 歌唱/西条凍時(CV三楽章)
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【BGM】
『桜の木の下で』ピアノバージョン
作曲/シロ
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【達成記念】
【凍時編】
★1000本達成で (サイト掲載書の)書き下ろしSSの制作決定
★2000本達成で 記念ボイスドラマの制作決定
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【キャストコメント】
第二巻の収録の終わったキャスト様より、インタビューにご回答いただきました!
≪三楽章様≫
Q1■光の魅力はどんなところだと思いますか?
親譲りの「決して諦めない」ところです。
僕もそうなんですけど、いくら自分が好きだと思っていても
相手にその気がないなら、潔く去るというのがだいたいの人の行動だと思うのです。
でも光は違いました。やっぱり両親それぞれの血を継いでいるんですね。
父親の凍時は、ヒロインを自分の伴侶とするためにあらゆる手段を講じました。
母親は凍時に抗うことを決して諦めませんでした。
そんな二人の「諦めない」という遺伝子が、強く反映されているのを感じますね。
でも凍時の「変態」という部分は受け継がなかったので、それは彼にとって良かったんじゃないかなと思います(笑)。
そういった親世代から受け継いだ特性という点も、光の人としての魅力なのではないでしょうか。
Q2■三楽様が光と友人だったら(恋愛面で)どんなアドバイスをしますか?
まず、僕が山那学園に入れるかどうかが問題なのですが、
まぁそれはこの際どうでもいいですね(笑)
「凍時さんのやり方は、どうにもならなかった時の最終手段だよ」
と、教えてあげますね。
Q3■逆にヒロインの友人だったら、どんなアドバイスをしますか?
「悪いことは言わない、
西条家を逆なでするようなことはしないほうがいいよ
君のことを一番幸せにできるのは、光くんしかいないよ」
と、言っておきます(笑)
Q4■今作のお勧めポイント、もしくは印象に残ったシーンを教えてください。
一真とやりあうところですかね。
身体の弱い光が、一真と思いのたけをぶつけ合うというのは、とてもドラマティックだと思います。
あのシーンではちょっと拗れていますが、でも本音で言い合える仲間がいるというのは羨ましいですね。
Q5■ユーザーの皆様へ向けてメッセージをお願いします。
西条光を演じました、三楽章です。
監禁婚第二弾、学園編を楽しみにしている皆様、ここまで目を通してくださり
本当にありがとうございます。
第一弾の凍時編との違いを感じていただければ嬉しいです。
学園生活のフレッシュさや、仲間との成長、そういった面も含めて
より一層楽しめるものになっていると思います。
勿論肝心要の恋愛の部分も濃厚なので、発売されるまでドキドキが止まりません。
凍時とは違う部分と、受け継いでいる部分、
そういったところにも注目して楽しんで頂ければ嬉しいなーと思っています。
≪三重奏様≫
Q1■一真の魅力はどんなところだと思いますか?
一真のいいところがいっぱいありすぎてどこから答えようか迷ってしまうのですが…、
まずは彼の誠実なところではないでしょうか。
あらゆることに真っすぐ向き合う彼が僕は大好きで、
そのひたむきな姿に自分も大きく影響を受けた気がします。
と…彼の優しい素敵な部分を魅力と伝えましたが…、
やはり真っすぐな性格ゆえのヒロインちゃんへの固執の仕方が僕は大好きです(笑)。
バカと天才は紙一重と言いますが、彼も少し違ったベクトルで危なさを持っているので、
そういった少し読めない彼の性格もちょっとミステリアスで魅力的だと思います!
Q2■三重奏様が一真と友人だったら(恋愛面で)どんなアドバイスをしますか?
アドバイス…、
恋愛観がおそらく彼と遠くないので、アドバイスできることがないというか…(笑)。
「貴方の思った通りに行動すればきっと伝わるよ!」くらいしか言えないですね(笑)。
それよりも一真と一緒に「それわかる!!」「今度僕も試してみるよ!」とか、
そんな会話をたくさんしたいなって妄想しちゃいました。
Q3■逆にヒロインの友人だったら、どんなアドバイスをしますか?
「いったん冷静になろう」と。
確かに一真は僕にとってもすごく素敵な彼だとは思うのですが、
それは一真だったから良かっただけで、
やはりベクトルが少し違った方向に転がってしまったときに
「普通の生活」というものが出来なくなってしまう気がして…。
ヒロインちゃんがすごくしっかり芯を持っているので、
もし一真もヒロインちゃんとも僕が仲が良ければ、何も思わず安心しておすすめすると思います。
Q4■今作のお勧めポイント、もしくは印象に残ったシーンを教えてください。
媚薬を使って…というのは、やはり何度見ても衝撃がありました。
媚薬を軸にあんなにキャラクターそれぞれの想いが入り乱れるなんて…と。
ヒロインちゃんの過去も壮絶なもので、一真としてお芝居をさせていただくときに、
どうしたらその苦しみも受け入れることが出来るかなって色々考えてしまいました。
幸福感だったり苦しみだったり悲しみだったり、
たくさんの想いを受け取っていただけると思いますので、
ぜひ楽しんでいただければ嬉しいです。
Q5■ユーザーの皆様へ向けてメッセージをお願いします。
改めまして、久世一真役の三重奏です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
久世一真くんを演じるときは、毎回心をリセットして濁りの無い気持ちで彼を演じるよう努めています。
「征徒会~誘惑の日々~」が発売されてからもうすぐ三年が経とうとしているのですが、
まさか本当にゲームになるなんて…!と、僕自身もすごく驚きました。
皆様からの応援のおかげで、こうして一真をもっともっと見てもらえる機会をいただけました。
本当にありがとうございます。
いっぱいありがとうと伝えたいのですが、文章だけでは伝えきれません…!
なので!また一真を演じさせていただける機会がありましたら、
この気持ちは一真の物語の中でお返ししたいと思います。
これからも監禁婚シリーズ、久世一真ともども、どうぞよろしくお願い致します。
≪八王子タカオ様≫
Q1■大和の魅力はどんなところだと思いますか?
強引さや直情的な行動の多い大和ですが、それはヒロインへの愛の強さ故ではないでしょうか。
また、事あるごとに年下であることや年齢差を気にする子供っぽさも可愛らしいギャップだと思います。
Q2■八王子様が大和と友人だったら(恋愛面で)どんなアドバイスをしますか?
「焦るな」この一言に尽きると思います。
Q3■逆にヒロインの同僚だったら、どんなアドバイスをしますか?
自分自身の気持ちに素直になることをアドバイスしたいと思います。
Q4■今作のお勧めポイント、もしくは印象に残ったシーンを教えてください。
やはり、ヒロインがいきなり大和から犯されてしまうシーンは衝撃的でしたね。
そんな恋愛ストーリーを楽しめるのがこの作品ならではでないでしょうか。
Q5■ユーザーの皆様へ向けてメッセージをお願いします。
音声ドラマとしてスタートした本シリーズですが、おかげさまでこの度ゲーム化という新たな展開を迎えることができました。
よりディープに楽しめるストーリーやほかキャラクターとの絡みなど見所が盛り沢山ですので是非お楽しみください。
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【1000本達成記念SS】
1000本達成記念 凍時SS
『もしもの未来』 著・雪華
「珍しいことにね、夢を見たんだよ。幸せなんだけど、酷い夢でもあった」
穏やかな春の日、舞い落ちる桜の花びらに彩られた瀟洒なガーデンテーブルと
ティーセット。その光景こそが夢のような美しさに満ちていた。
かつては灰色に見えていた世界がすっかり様変わりしたものだと、西条凍時は目を細める。
全ては、愛しい妻のおかげだ。彼女がいたから世界が色づいた。
今日もまた尽きぬ感謝を胸に破顔する。齢八十になっても美しいと世間には讃
えられている笑顔だ。
しかし夫人は、それをチラとも見ない。ただおっとりとした仕草で、横に座る
ゴールデンレトリバーを撫でていた。
「ねえ」
反応を求めて控えめに声をかける。
夫人は僅かに顔を傾け、なかなか聞きとれないといった仕草をした。
「最近はどうにも耳が遠くて、いけないわ」
「夢を見たんだよ」
「あらあら、ハッピー、またおやつが欲しいの? そろそろダイエットをしないと駄目よ」
凍時の言葉を完全にスルーした反応は、いかにも耳が遠くなった老齢の女性だ。
凍時は少し考えるふうにティーカップを傾けながら、ぼそりとした声で言った。
「嗚呼、久しぶりに催しそうだ。今夜は眠る君の肌で熱くなったものを慰めてもらおうかな」
「包丁を用意しないと」
「聞こえているじゃないか」
「はいはい、夢ですよね、夢。珍しいですわね」
だからどうしたとも、どんな内容だったのかとも、彼女は聞いてこない。心の
底から興味がないのだ。かといって無視すると凍時がへばりついてくるから、
無難な相槌を打っているに過ぎない。……という妻の心情を、凍時は理解してい
る。それでも、とりあえず反応を返そうと思ってもらえていることが、凍時は
嬉しかった。
誘拐、強姦、監禁の果てに子供まで産ませたのだから、逃げないでいてもらえ
るだけでも十分な結果だ。
――こう思えるようになったのは、いつからだったか。昔は悲しく思っていた
状況を、今では有難いものとして受け入れられている。けれどもやはり、どうし
ようもない寂しさは残るもので……。
「夢の中の君は、熱烈に私を求めてくれていたのにね」
「あらまあ。それはとんでもなく気持ちの悪い悪夢だわ。ねえ、ハッピー?」
つれないことを言う夫人に賛同するかのように、今年で十五歳になるハッピー
が緩く尻尾を振る。ちなみに漢字で書くと『覇陽衣』という当て字になる。
かつて息子の名前の候補としてあげた名前だからか、命名の際には夫人が思い
きり顔を顰めたものだ。夫人の言葉よると「息子と犬の名前を同列に考えている
ところが信じられない。それ以前にセンスが壊滅的」……なのだそうだ。
一応弁明しておいたのだが、息子と犬の命を同列に考えていたのではない。
彼女と共に育むものは全て尊く、素晴らしい存在だから、幸福感にあふれた最良
の名前を与えたいと思っただけだ。
しかしこの理由もまた、彼女からすると理解し難いものだったらしい。ひたす
ら気味悪がられた。
そうして嫌悪感を露わにした夫人だったが、保健所にいた犬の中で『ゴールデ
ンレトリバー』――凍時にとっては思い出のある犬を選んでくれたのもまた、
彼女だった。彼女は犬を引き取ったことをボランティアの一環だと言っていた
が、恐らくそれだけではないだろう。
夫人は憎い男が相手でも、常に思いやりを忘れない。それが信条だからだ。
「……そんな君だから、夢の中でああいう最期を選んだのかなぁ。攻撃性が自身
の内側に向くところが君らしいというか」
しみじみと呟いた凍時は、聞かれてもいないのに今朝の夢の内容を話し始めた。
「夢の中で、俺は低木の影でじっと身を潜めていてね――」
静まり返った夢の中、はぁはぁという自身の呼吸音だけが耳についた。いけな
いいけないと唾を飲み、なんとか興奮をしずめようと試みたが、心臓の鼓動は高
まるばかり。
夢の中の凍時は知っていたのだ。これから低木の向こう側を、愛しくして愛し
くて仕方ない彼女が通ることを。
そしてこれから、その彼女に愛を伝える予定だった。
「早く、早く、早くしないと……」
現実とは違い、夢での彼女は友人の千夏に「容姿もお金も関係ない」と答えて
いた。つまりただ体を奪うだけでは、彼女は凍時を好きにはなってくれないとい
うことだ。悪魔より酷い男である祖父の魔の手が迫っているというのに、それで
は困る。しかもサークルの先輩と付きあいそうだというではないか。
すっかり自信も時間も無くした凍時は、当初とは別の計画を立てた。
――眠らせた状態で愛を注ぎ、目覚めて動揺した彼女の前に颯爽と現れる。そ
して弱った彼女を癒して結ばれる、という筋書だ。
どの道、初手が強姦では心を得られるわけがないのだが、夢の中の凍時は知ら
ない。知らないから一人で盛りあがって、心躍る未来への第一歩を踏みだそうと
していた。
「あ、あぁ、どうしよう。もうこんなに」
彼女に触れる瞬間を思うと、何もしていないのに下腹に血が集まる。張りつめ
た肉茎はもう痛むほどで、先端から滲みだしたものが下着の内側をじっとりと
湿らせていた。
どんな拷問にも耐えられる自信があるが、彼女に関することでは我慢ができない。
布と先端がこすれる感触でイキそうになり、息を詰まらせる。
しごいてしまいたい気持ちを堪えていると、やがて小さな足音が聞こえてきた。
足音が近づくほどに、我慢のできない熱杭はビクンビクンと跳ねる。
危うくイキかけたその時、ついに待ちに待ったチャンスが訪れた。
「はぁ、はぁ、はぁ……。っ」
息を大きく吸った次の瞬間、呼吸を止めて彼女の背後に走り出る。そして彼女
が振り向く前に、用意しておいた布で口元を塞いだ。
「んっ!? んんー!? んっ……」
彼女は動揺して暴れたが、布に染み込ませておいた薬剤のおかげで、すぐに
意識を失った。
ぐったりとした彼女が腕の中におさまると、凍時の胸中には未だかつてない
ほどの幸福感がわきおこった。
目に入れても痛くないというのは、まさしくこのことなのだろうと思う。
もう愛おしすぎて食べてしまいたいほどで、彼女の滑らかな頬をべろべろと
舐めた。
「んん、君の肌はなんでこんなに甘くて……。
あっ! いけない、今夜はゆっくりしていられないんだった」
この薬は凍時自身の体で実験済みだ。だがまだ開発中で、そんなに長くは効果
がもたない。
急がなければと彼女の体を横抱きにし、鼻歌を歌いながら車中に運んでいった。
「さぁ、二人だけの結婚式を始めようね」
扉を閉めれば彼女の匂いが濃くなった気がして、天に舞いあがりそうになる。
「っ、はぁ、はぁ……」
ドキドキしながらそっと座席に横たえると、興奮で掠れた声で誰も聞いて
いない説明を始めた。
「リアリティを追求するなら草の上で抱いたほうがいいんだろうけど、さすが
に初体験が芝生の上だと可哀そうだからね。とりあえずここで抱いた後、公園の
奥に移動するよ。あ、心配しないでね。君が目を覚ますまで、ちゃんと見守って
いてあげる」
眠る彼女に説明しつつ、下着を脱がせる。本当は全身脱がせたかったが、時間
がないから我慢した。
「ゆっくりとできなくて、すまないね。今回はとりあえず、舐めて柔らかくするよ」
陰部に舌を伸ばす前にすんすんと鼻を鳴らす。彼女の匂いが鼻腔を満たし、
恍惚感で眩暈がした。
興奮のあまり涎がたれる。
唾液で濡れる花弁を見たらもう理性がことごとく崩れて、極上の果実を味わう
ように、むしゃぶりついた。
「んっ、あぁ、んー……おいしいっ、おいしいよぉ。
はぁ、はぁ、もっと奥、奥を舐めさせてっ」
尖らせた舌を隘路にねじこみ、膣内の感触をじっくりと味わう。そうしなが
ら、膨れてきたクリトリスを指の腹で刺激した。
彼女の愛液は麻薬のようだった。舐めれば舐めるほど美味しくなり、凍時は
獣のごとく唸りながら夢中で舌と指を動かした。
内と外を激しく愛撫され、彼女の口から「ん」と小さな声が漏れる。
その甘い声が耳に入ると、ずっと暴発寸前だった熱杭を抑えられなくなった。
肩で息をしながらベルトを外し、膝までズボンを下ろす。
「はぁっ、はぁっ、そんな可愛い声でおねだりして夫の理性を飛ばすなんて、
いけない子だね。すぐにお仕置きしないと」
先走りでぬるつく先端を、唾液まみれの膣口に宛がう。幾度か擦りあわせて
から腰を進めた。
「あっ、あっ、あー……入るっ。ついに君が俺の奥さんにっ」
途中で強い抵抗を感じたが、構わずに一気に押しこむ。
ぷちりという薄い膜を破るような感覚を先端に覚え、口角があがった。
彼女の処女をもらったのだという実感が大きな喜びとなり、凍時の全身を
震わせた。
感動で泣きそうになりながら、しっかりと根本まで埋める。
処女地だった隘路は驚くほど狭く、肉茎全体をギュウギュウと締めつけてきた。
「あぁ、こんなに熱く迎え入れてくれるなんて……嬉しいよ」
彼女の顎に指を添え、口を開かせる。深く唇をあわせ、奥で恥じらっていた
熱い舌を吸いだした。幾度も角度を変えて舌を絡める合間に、愛の言葉を囁く。
「はぁ、んん、愛してる。愛してるよ。ん……、君だけが愛おしい存在だ」
長く激しいキスを繰り返した末に、膣が少しだけ緩くなる。
その反応にも「迎えてくれた」と興奮し、唇をあわせながら体を揺さぶり始めた。
刺激された膣壁が収縮し、きつく肉茎を絞る。
引き抜けば強く吸われるように追いすがられ、押しこめば舐めしゃぶるように
膣襞がまとわりついてきた。
彼女は初めてだとわかっているのに、喜びと感動のあまり腰が止まらなくなった。
「あっ! あぁっ、こんな……っ、気持ちよすぎるよ! 君と一つになれただけ
でも嬉しいのに、こんなふうに求められたら、我慢できないじゃないか!
っ、あー……出るよ、出ちゃうよ」
衝動を抑えられずに最奥を突きあげる。
ぷるんとした子宮口と先端がこすれあい、全身がとろけそうなほどの快楽に
脳内が痺れた。
ねだられている気がして堪らない。
尿道を精子がのぼってくる感覚で、全身に鳥肌が立つ。
夢中で子宮口を先端でこねまわすと、彼女の体が小さく震えた。
「ふふ、意識がないのに、こんなにエッチな反応をするなんて……そんなに俺と
結ばれて嬉しかったの? 俺も嬉しいよ。
あぁ、可愛い。可愛い、可愛い、可愛い! この世の誰よりも可愛いよっ!
はぁ、あぁ、俺の天使! 俺だけの君!
死ぬまで一緒にいようね!」
溢れる幸福感が叫び声となる。恐らくは外にも漏れてしまっているであろう
大音量は車中で反響し、二人の幸せな空間――と凍時は信じている――を、
いっそう甘やかなものとしていた。
溢れる愛を押しこむ気分で腰を叩きつける。
「んっ、もう、駄目だ! ほら、ほらぁっ! 精子がぎりぎりまでのぼって、
ガチガチになってるの、感じるっ? んっ、あっ、あぁー! 出すよ!
一番奥で溶けあおうね!」
びく、びく、と痙攣する彼女を抱きしめ、限界まで膨れあがった硬いものを
最奥に押しあてる。
確実に子宮口に出せるようにそのままの状態で体を揺さぶり、溜めに溜めた
ものを思いきり放った。
「はっ、はぁ、はぁ、はー……最高だったよ。次は意識のある時に、じっくり
愛しあおうね」
軽い音を立ててキスをし、名残惜しい気持ちで腰を引く。
ずるりと長大なものが抜けきると、破瓜の血が混じった薄紅色の精子が会陰
を伝っていった。
「さて、最後の仕上げにかかろうかなっと」
心無しか最初よりもぐったりしている彼女を横抱きにして車外に出る。そし
て予定していた場所で、そっと彼女をおろした。
体勢が変わったせいか、草の上にまた精子がこぼれ落ちる。
草木を揺らす風が、精液と愛液、それから破瓜の血の匂いと混ざって鼻先を
掠める。
さすがこの日のために溜めただけあって、かなり大量に出たらしい。
「はは、若造のようで恥ずかしいな。次はもっとスマートに抱くから許してね」
最後にもう一度だけ優しいキスをして、静かに彼女から遠ざかる。もちろん
意識を失っている彼女が誰かに見つからないよう人員を配置しているから、他
の男に犯される心配はない。あとはもう、うきうきしながら彼女の目覚めを
待つだけだった。
「あぁ……」
遠くに見える彼女に向かって手を伸ばす。横たわる体をなぞるように指先を
動かし、囁く声音で言った。
「愛してるよ、俺の眠り姫。早く目を覚まして」
祈りを届ける風が吹き、彼女の瞼がゆっくりと開かれる。
凍時もまた目を見開き、息を詰め――
「もう死んでしまうかと思うくらい鼓動が高鳴ったんだよ」
桜を見あげながら嬉々として夢の内容を語っていた凍時は、満面の笑みで
夫人のほうを見る。
夫人は静かな動作で紅茶を口に含み、そっと瞼をおろした。
凍時は「眠くて聞いていなかったのかな」と思い、少しだけ声のボリューム
をあげて付け加える。
「けれどその後の展開が最悪でね。君はなぜか絶望して病院の屋上から飛び
おりてしまうんだ。ね、残酷で不可解な夢だろう?」
「そうね、不可解。そんな夢の内容をそのまま私に伝えてくる貴方の神経が
知れない。貴方は八十になっても、本当に気持ち悪いのねぇ。心の底から気持
ち悪いわ」
「二度も言わなくても……」
「一度では伝わらないかと思って」
「だけど、側にいてくれる」
「貴方が濡れ落ち葉のごとく四六時中貼りついてくるからよ。それに……」
夫人が優雅な仕草でティーカップを置く。
凍時はその美しさに見惚れつつ、また「仕方がないもの」と言われるのを予想
していた。
けれど……
「家族だもの」
「え」
予想していなかった言葉の続きに、間抜けな声が出る。
目をパチパチとさせて見つめていると、彼女が緩く首を傾げて聞いてきた。
「ついに耳が遠くなったのかしら」
「あ、いや、聞こえていたけど……」
四十五年ほど前にあの事件があってから、特殊な形で受け入れられた。それは
なんとなくわかっていた。
しかしこのタイミングで言われるとは思っていなかったから、実はまだ夢の中
にいるのかと現実を疑った。
夫人はそんな凍時に飽きれた様子で溜息をつき、ハッピーを撫でながら言った。
「数十年前に言ったでしょう。強姦犯でも、変態でも、そばにいる。一生赦せ
ないし、憎んでいるけれど、それでも貴方は、私と光にとって『家族』だから」
確かに数十年前にも聞いた言葉だが、年老いた今になって耳にすると、また
違った感慨がある。実際に人生を共にしてくれたという事実があるからだろう。
改めて彼女の慈悲深さに感銘を受け、瞳にうっすらと涙の膜ができた。
「……君はこの桜の木のように美しく輝いている。今も昔も、俺はその優しい
光に魅了されているよ」
「調子に乗らないでちょうだいね。これは優しさじゃないのよ。諦めというの」
「ふふ。ごめんね、そうだったね」
「ええ、そうよ」
そう言った夫人はまた無言になり、瞼を軽く落として紅茶を飲む。
つれない態度に言葉を飲んだ凍時は、けれど穏やかな気持ちで微笑んだ。
届けるつもりのないごく小さな声で呟く。
「有難う」
礼を述べながら凍時は思う。――たぶん自分はここまで言ってもらっても、
死ぬまで「誰かの家族になれた」とは実感できないだろう。だがそれでも、
彼女が人間として向きあってくれたというのは確かなことだ。
「君によって、俺は人間になれたよ」
風にまぎれさせて囁けば、ふん、という小さな鼻音だけが返された。
それがまた可愛かったという本音は、ひっそりと胸の内にしまったのだった。
【あとがき】
ツイッターアンケートで「バッドエンド後」のご投票も多くいただいたので、
『バッドエンドの雰囲気を味わいつつEND10の内容を楽しめるSS』にさせて
いただきました。
連動特典で、この最低で変態な凍時とどう恋愛(という名のサバイバル)を
するのか、楽しみにしていていただけると嬉しいです。
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